勝ち組みのプロ代理店になる -8-


若年層をキャッチし生涯多面的につき合う
保障観変われど夫婦の合計保険料は同じ

【生涯つき合って多面的にフィーを】
 新入社員の大量採用時代は遠い昔の話となり、4 月を挟んだフレッシャーズ獲得競争も往時の勢いがない。対象者がいないのだから投網方式はもちろん、上司や先輩からの説得も使えなくなってしまった。
 どこかに散ってしまった若年層の契約を取りたければ「生息地」を見つけて、個別にアプローチをするほかない。多少労力を要しても、しかし、若年層の契約を取る意義は決して少なくない。社会人としてスタートした時点で、お客さまになっていただくことは、この先何十年ものつき合いが始まったことを意味する。
 長い人生で、サポートすることはいくらでもある。保険だけでなく、金融商品や不動産をはじめとする資産形成のアドバイス、起業支援、そして相続対策など、われわれの間口が広ければ広いほどそのつき合いは深くなる。

 末永くつき合っていく上でのポイントは、お客さまにムダをさせないこと。若年層に驚くような高額の保障を提案することはない。結婚した、出産したといったライフイベントにあわせ増額も勧めるが、必要最小限に留める。
 ニーズと保険料の負担に余裕があるのであれば、低きに誘導する必要はないが、お客さまの人生と多面的につき合ってトータルでフィーやコミッションをいただいていこう。

【ブライダル産業とタイアップ】
 では、若年層をどうやって見つけるのか。代理店として思い浮かぶのは、新入社員を採っている既存企業の機関代理店と業務提携し、開拓していくことだ。たしかに、新入社員は減少しているが、一代理店として見れば、残されたマーケットはいくらでもある。
  営業職員が出入り許可を取って、職域開拓と同じようなものだが、代理店の場合は、企業へのコンタクト方法が、社長や役員の保障の提案から入っていく方がスムーズなのではないか。

 事業保険で納得いく契約が取れ信頼を得られれば、従業員へのアプローチも可能になる。先方企業・代理店にとっても、新たな収入源を確保できることから話を進めやすい。ただ、構成員契約のルールとの兼ね合いがあるので、取り扱いには注意が必要だ。

 今回紹介する事例は、こうした考えをもう一歩進め、若年層を対象にビジネスを展開している企業とのタイアップを紹介しよう。業務提携による職域開拓と違うのは、見込客のいるところ(職場)に訪ねて行くのではなく、見込客がきたところで若者を対象にビジネス展開してる企業はいくらでもあるが、保険の話を聞いてもらえるとなると、非常に限られてくる。

 弊社が最近提携したのは「ブライダル・コーディネート業」だ。式から披露宴、二次会まであらゆるニーズに応えることをモットーにしている。当該企業は、芸能人が利用したことなどから知名度がアップ。新しい人生のスタートをプロデュースしてもらおうもっとも、ウェディングという性格上、フレッシャーズというわけにもいかず、また晩婚化が進む今日、若年層ばかりが対象になるわけではない同社では結婚から派生する、新居、家具、電化製品、旅行についてもコーディネートをしており、保険もそこに加えてもらった。

【ビジネススタンスをしっかり示す】
 同社とは証券会社の紹介が発端で、業務提携の可能性を詰めてきたが、稼働するまでに約1 年かかった。
  当初は、ビジネスに対する感性や方向性が一致するのか、双方に利益が見込めるのかなど、慎重に検討した。弊社は業務提携という形で他社とビジネスパートナーを組んでいるが、そのほとんどは30 〜40 代の経営者だ。
  意識しているわけではないが、結果として既存のことにとらわれない部分で話を進めていくと、同じような年回りになってしまう。お互いにすり合わせてきたものを、最終的に契約書にまとめるのだが、その文章を見る能力も必要だ。契約書というと、金銭的な部分に比重をおいてチェックしがちだが、この部分は当たり前のことを確認するに過ぎない。
  弊社で締結する契約書は10 数項目しかない。 いたってシンプルなものだが、1 つ絶対にはずさないものがある。それは「守秘義務」についてだ。
 2 社間の契約を超え、お客さまにも迷惑がかかることなので、必ず確認し、弊社のビジネススタンスを再度はっきりとさせる。

【役割分担の意味】
 同社には保険代理店部門がなかったため、ゼロスタートを切らなければならず、担当者の研修、募集人の登録にむしろ時間がかかった。
 この提携では、原則として同社が来訪者への保険プランニングサービスのご案内、弊社がニード喚起からクロージングまでを受け持つことにした。つまり、同社は事務的に見込客を弊社に紹介すればいいだけなのだが、現在、募集人として18名登録し、さらに増やしていく予定もあるようだ。
 保険に興味があるかどうか聞き出すだけなら、これほど登録する必要はないだろう。役割を分担し効率的にコミッションを得るのが業務提供の目的ではないか。
 しかし経営者がそう思ったのではうまくいかなかっただろう。いくら新婚生活を始めるからといって、片手間で保険を勧められ加入するような人はいない。
 見込客化からクロージングまで、どのポイントも手が抜けないのだ。だからこそ、同社の担当者も、保険プランニングのご案内を魅力あるものとして語れるだけのバッグボーンが必要なのだ。
 経営者とそこの部分で意志疎通があればこそ、ある程度の人数を一定時間研修させ、募集人に登録し、保険に関して均質のサービスを提供する態勢を整えることができた。
 サービスがスタートしてからは、弊社の社員が同社のブースで専門的なアドバイスを展開するほか、勤務先や自宅に訪問してクロージングまで持っていっている。

【結婚観の変化を提案に反映】
 提携事業開始から2 ヵ月足らずの実績は30 件強といったところだが、お客さまにいくつかの共通項が見られ、その点がプランニング上のポイントにもなっている。
 ・新郎に大黒柱という意識がない
 ・専業主婦の人がほとんどいない
 ・医療保障の充実を望む
 1 点目と2 点目は表裏の関係にあるようだ。大黒柱という意識がないのは、新郎ばかりでなく新婦にもない。つまり「ご主人に万一のことがあったら……」という保障を勧めるときの常套句は使えない。結婚観が大きく変わってきている。対等これは、専業主婦になる新婦がほとんどいないことと無縁ではないだろう。

 よく言われるように、経済的な自立が精神的な自立を支えている。新郎に万が一のことがあっても「私が働いているので、一時金としてある程度の保険金があれば十分」といった答えが返ってくる。高額保障は不要だと、医療保障の充実に目を向ける。
 弊社でも若年層の保険はずいぶんと取り扱ってきたが、結婚を前にしたカップルに、これほど立て続けにプランニングしたことはなく、ニーズの変化が確実に進んでいることを実感した。
  支払保険料は2 万円から2 万5,000 円といったところで、新郎の年齢にもよるが、従来、ご主人向けとして、4 〜5,000 万円の死亡保障に医療関連などの特約を付加したものと大差ない。
 換言すれば、トータルではほぼ同じだけの保険料を捻出してもらえるわけだ。つまり、夫婦でいかに保険料をわけるかがポイントになる。

 弊社も最低限、医療関連の保障については、家族特約で勧めるようなプランニングはしないし、これはお客さまの要望とも合致する。
 ここは、押さえどころなので、乗合代理店として、複数の会社の商品を組み合わせて提示する。各商品のメリットを集約しているので、ニーズにあった魅力的なプランになっていると自負している。
 その後は、死亡保障に夫婦で加入するか、老後資金の準備として変額保険・年金保険を勧めるか、この辺は、お客さまによって温度差があり、ケース・バイ・ケースだ。事例を別掲した。

  ご主人

合計保険料 15,337 円
1 )○○生命=定期保険 20 年払込、20 年保障保険料 3,110 円
ポイント 保障額1,000 万円+傷害特約500 万円、解約払戻金をなくすことで保険料が割安になっています。割安な保険料で無理なく保障の準備が可能。

2 )○○生命=特定疾病定期 60 歳払込、60 歳保障保険料 2,472 円
ポイント 保障額300 万円 ガン、心筋梗塞、脳卒中の3大疾病に罹患した場合、診断給付金として生前給付。所得減少や高額療養費に対応します。60 歳以降も保険料は上がりますが、継続することも可能です。

3 )○○生命=医療保険 終身払込、終身保障保険料 3,355 円
ポイント 日額5,000 円、手術5 ・10 ・20 万円、通院2,500 円、死亡保障25 万円 1 泊2 日型、1 入院給付限度日数120 日、累計給付限度日数1,000 日。保障が充実。死亡保障は25 万円、解約返戻金も13 年目から一律25 万円。低廉
な保険料で保険料は全期間アップしません。老後に終身医療保険のみ残すことが可能です。

4 )○○生命=変額終身保険、55 歳払込、終身保障保険料6,400 円
ポイント 保障額500 万円 予定利率が現行でも4.5 %であることから割安な保険料となります。将来のインフレリスクをヘッジできることから貯蓄性に優れていると言えます。保障額は、運用実績に応じて変動しますが、基本保険金額は最低保障されています。解約払戻金も運用実績により変動し、最低保障されていません。


  奥さま

合計保険料 9,495 円
1 )○○生命=終身医療保険終身払、終身保障保険料3,225 円
ポイント  1 泊2 日型、1 入院給付限度日数120 日、累計給付限度日数1,000 日日額5,000 円、手術5 ・10 ・20万円、通院2,500 円 死亡保障は、入院日額×50 倍です(5,000 円×50 倍=25 万円)。

2 )○○生命=ガン保険 終身払、終身保障 保険料1,630 円
ポイント ガン入院給付金5,000 円、手術5 ・10 ・20 万円、在宅療養10 万円(20 日以上の入院)、診断給付金が何回でも、入院給付金が何日でも給付されます。
あらゆるガンが対象です。きわめて初期ガンの上皮内ガンも対象となります。
 *診断給付金は2 年以上経過後になります。

3 )○○生命=変額終身保険 55 歳払込、終身保障 保険料4,640 円
ポイント  保障額500 万円 予定利率が現行でも4.5 %であることから割安な保険料となります。将来のインフレリスクをヘッジできることから貯蓄性に優れていると言えます。保障額は、運用実績に応じて変動しますが、基本保険金額は最低保障されています。解約払戻金も運用実績により変動し、最低保障はされていません。

●主婦の保障は、医療保険+ガン保険のみのご希望が多数ございます。女性の平均寿命の83 歳からしましても医療保険の充実、また男性とは違い心筋梗塞や脳卒中などの3 大疾病よりもガン保険を充実させたいとのご希望が多くあります。(特定疾病定期は1 回給付のみ)ガン入院時に医療保険にプラスされます。

 どうするマンションの管理・修繕積立費

深刻な積立金不足
 2002 年4 月のペイオフ実施で、話題になっているのが、マンション管理組合の修繕費積立金だ。新聞や雑誌などでも特集を組んでいるので、具体的な対策はそちらに譲るとして、保険代理店の立場としてどんな貢献ができるのか考えてみよう。

 積立タイプのマンション保険が発売になるなど、代理店としても保険を核にペイオフ対策を訴えやすくなったが、それ以前の問題として、積立金が計画通り蓄えられているのか確認したい。
 新築で入居したときは、当該マンションを購入・維持できるレベルの人たちの集団として形成されるが、翌日から戸数分のドラマが繰り広げられる。5 年も経つと、ライフステージも次ぎのステップへと移っており、家計の収支も大きく変わっているはずだ。
 一昔前までは、右肩上がりの収入構造なかでライフプランを立てることができたが、今は先が読めない。リストラで管理費が払えない住人が1 割り近くいる(総戸数にもよるが)マンションも珍しくない。
  管理費の滞納は94 〜5 年当時から増加しはじめ、今日的にはどこの管理組合も多かれ少なかれ、対策を検討しなければいけない状況にあるのではないか。
 ある管理組合の理事長は「本来なら、うちのマンションもペイオフ対策で頭を悩ましているはずなのだが、実際は計画通りに修繕費が貯まっていないですよ」とこぼす。
 もっとも、積立金不足の要因は不払いより、積立額を算出する際の甘さが目立つ。資材費などは年数とともに上がっていくものだが、それを新築当時の価格で弾いていたり、営業戦略上管理費や修繕積立金を低く抑えてしまうことも少なくない。
  いずれにしても、時間を止められるわけでもなく、建造物の劣化は進む。修繕は待てない。
 「何かいい知恵はありませんか」と相談されどう答えるか。
管理組合を法人化する
 不足分を銀行から借り入れる、というのがいちばん手っ取り早いが、この場合、法人か否かが1つのポイントになる。
 マンション管理組合の法人化については現行、区分所有者が30 人以上でないと認められなかったが、2002 年度から取得要件を大幅に緩和し2 人以上になる。
 つまり、法人化の意志があれば、今まで人数制限で断念していた管理組合も設立に向けて動きだせるわけだ。
 不足分に対し、どういった借り入れを起こし返済していくのか、今後の入退居をどうシミュレーションしていくのか十分な検討が必要だが、法人化で1 つハードルをクリアできることだけは確かだ。
  さほど重症ではないが、危機感を持っている組合には、管理会社に任せきりだとコスト高になる可能性があることを示唆していく。
 共有部分に掛けている保険などは、管理会社が高い評価をしたままになっているケースも多い。エレベーターの保守・点検も直接依頼すれば2 〜3 割安くすることが可能だ。
 管理会社の運営と決別し、自主管理を選ぶところもあるが、現状を厳しくチェックし管理会社と交渉、管理費を引き下げた例もある。どちらがいい、という結論は個々の事情によって異なるが、いずれにしても、管理費の引き下げ分を修繕積立に回すことで、積立金の健全化を図っていくことができる。

 全国の分譲マンションは400 万戸弱。管理組合は5 〜6 万あると言われている。一大市場を形成しているが、その状況は千差万別だ。
 弊社も、最近、ある管理組合にエレベーターの保守業者を紹介した。安かろう、悪かろうでないことが確認できれば、さらに他へも紹介するつもりだ。もちろん、このことで保険(マンション保険などは別にして)、特に生命保険の契約に結びつくとは思っていない。
  ただ、理事長をはじめ理事からも信任を得ることで、紹介が舞い込んでくることもある。
問題解決は最大のアプローチ材料だ。

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